株で「得」した場合にかかる税金と「損」をした場合の対応について

所得税

最近、「iDeCo」や「つみたてNISA」が人気のおかげもあり「投資している人」や「投資に興味のある人」が増えてきています。

NHK NEW WEB
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、ネット証券も含めた証券各社の口座数が1年前に比べていずれも増えていることが分かりました。自宅に居ながらインターネットを通じて株式などを売買しようという個人投資家が増えたためとみられています。
(2020年10月30日 20時08分)より引用 

「iDeCo」や「NISA」から得られる運用益は「非課税」なので税金の心配はありませんが、株の取引きで得られる「譲渡益」や「配当金」には通常税金がかかります。
「損をした場合」の確定申告は不要ですが、確定申告をしたほうが「得」になるケースもあります。

今回は、株の取引で発生する税金や損失が出た場合で確定申告したほうが良い場合などについてまとめてみます。

株式投資で確定申告が必要となる証券口座は?

そもそも、株の取引を行うには「証券口座」を作る必要があります。
証券口座には、「一般口座」と「特定口座」があり、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。

このうち「特定口座(源泉徴収あり)」は証券会社の方で源泉徴収をしてくれるので確定申告を行う必要がありません。
確定申告が必要となる口座は、「一般口座」「特定口座(源泉徴収なし)」の2種類であり、上場株式の売買などで利益(譲渡益)が出たときには、確定申告をして税金を納める必要があります。

参考:貯蓄から投資へ❗️証券口座3種類の特徴と税金の取り扱いについて

株の取引で「得」したときの税率

株の取り引きで税金を支払うパターンは2種類
株の取引きなどで利益が生じ税金の支払いが必要となるのは、「株を売買したときに生じる譲渡益」「配当金などを受け取ったとき」の2パターンです。
このうち、確定申告が必要なのは「株を売買したときに生じる譲渡益」の場合になります。

配当金や利息などがあったときは、配当金などが支払われる際に口座の種類に関わらず証券会社が源泉徴収したあとの金額を振り込んできますので、確定申告の必要はありません。

株を売買したときに生じる譲渡益にかかる税率
譲渡で得た所得 × 20.315%
→ 税率20.315%の内訳(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)
株式の利子等・配当等の所得 × 20.315%

→ 内訳は譲渡した場合と同じ

株で「損」をした場合の確定申告

損」をしても確定申告を!
「株の売買で利益が出た」ときに確定申告が必要となるのはイメージし易いのですが、実は上場株式の取引で「損」をした場合でも確定申告をした方がお得になる場合があります。

それは、その他の株から得た利益とその損失を相殺できる「損益通算」と、損失額を3年間繰り越して利益と相殺できる「繰越控除」という特例があるからです。

利益と損失を相殺する「損益通算」とは?

損益通算とは、上場株式の売買で発生した損失をその年の利益(他の株式の売買で得た利益や利子・配当など)と相殺することができる制度です。

【 取引例 】
年間▲90万円の損失が生じた場合の損益通算の例
(取引の内訳)
・A株式会社の株の売却で生じた譲渡損失…▲100万円
・B株式会社の株から得た配当…10万円

B株式会社からの配当が振り込まれるときには、
10万円×20.315%(税率)=20,315円
が源泉徴収されるので、79,685円(10万円ー20,315円=79,685円)が振り込まれます。

しかし、この年は10万円の配当による利益は譲渡損失の100万円と相殺されるのでトータル「▲90万円の損失」になります。
そのため、すでに源泉徴収されていた20,315円は確定申告をすると還付されます

この損益通算は、他の証券会社に口座を持っている場合でも利用できます。
しかし、NISA口座は適用されないので、注意⚠️が必要です。

損失額を3年間繰り越して利益と相殺できる「繰越控除」

繰越控除とは、その年に控除しきれなかった損失を、最長3年間にわたって利益と通算できる制度です。つまり、上場された株の取引で譲渡損失があった場合「翌3年間」の利益と相殺できます。

先ほどの「例」である年間▲90万円の損失が生じた場合では、
次の年以降3年の間に90万円を超える利益がなければ、課税されないと言うことになります。

繰越控除を受けるためには、確定申告を行うことが大前提です!
また、たとえ控除対象期間である3年間の間に株取引による損失がなかった場合でも、確定申告は毎年行わないと繰越控除を受けることができなくなるので、注意⚠️が必要です。

まとめ

株の取引きを行い利益があると、税金を支払う義務が生じます。
「特定口座(源泉徴収あり)」を選んだ場合は、証券会社で源泉徴収を行うため自分で税金を納めたり、「損益通算」も証券会社が自動的にしてくれるますが、「繰越控除」はしてくれません。

「特定口座(源泉徴収なし)」を選んで確定申告をした場合には、自分で「損益通算」や「繰越控除」を計算し利用することができます。

なお、「特定口座(源泉徴収あり)」を選んだ場合においても確定申告を行えば、「繰越控除」利用することは可能ですが、繰越控除を利用する間(最大3年間)は、確定申告を続ける必要があります。

株で損をしても、確定申告をすれば少し「得」する場合もあるので、全てを証券会社任せにすることなく、自分で正しく判断する必要があります。

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ミスター長男50

【プロフィール】

1969年(昭和44年)生まれ
富山県で生まれ、今は千葉県民
・仕事は病院事務(管理職)
・社会保険労務士
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)
「仕事」や「お金」に関する法改正や、(定年)退職後や資産形成に関する疑問などを分かりやすくまとめ、発信していきます。

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