50歳からでも遅くはない❗️つみたてNISAの「魅力」と「手数料(信託報酬)」の影響について

資産運用

最大の魅力は20年間の非課税期間
「つみたてNISA」とは、金融庁が厳選した「投資信託(商品)」の中から自分で商品を選び、「複利の効果」を利用して、毎月「少額」な資金を「長期間」「分散」しながら「年40万円」「20年間」非課税で積立てができる非課税制度です。

「非課税」の対象となるのは、20年間に得られる利息や売却時の運用益通常は、約20%の税金が引かれるので非常に「お得な」制度です。

ただし、いくらお得な制度であっても「投資」であるためリスクもあります。
「金融庁厳選商品」とは、「販売手数料はゼロ」「信託報酬は一定水準以下」などの基準をクリアしていることであって、「利益」がでることを保証しているわけではありません。

今回は、こんな魅力的な「つみたてNISA」における積立るメリットと、積立投資における信託報酬の影響についてまとめてみました。

「つみたてNISA」の魅力3選

モテる秘訣は「非課税」と「低い手数料」

つみたてNISAとは、2018(平成30)年1月からスタートした、少額からの長期・積立・分散投資を支援する非課税制度のことです。
非課税の対象となるのは、つみたてNISAで運用している投資信託から得られる利息や運用益
つみたてNISAの魅力は、非課税制度以外にも、複利の効果を得られやすいことや、あらかじめ金融庁がセレクトした優良商品の中から商品を選んで投資できることにあります。

「非課税」で効率的に積み立てができる

投資の利益や銀行の利息には、20.315%の税金が引かれます。
しかし、つみたてNISAから発生する利益には課税されません。

本来なら税金で差し引かれる分が手元に残り、その分も運用することができるので、通常の口座より有利に運用することができます。

「複利の効果」で効率的な運用ができる

税金が引かれないから、雪だるまも大きくなるね

「複利の効果」とは、投資で発生した利益を元本に組み込んで運用を続けることで、資産が「雪だるま式」に増えていく効果のことです。
投資期間が長いほど、複利効果が大きくなります。

つみたてNISAは最大20年間運用できるため、大きな複利の効果が期待できます。

金融庁の「お墨付き」投資信託である安心感

つみたてNISAの対象商品は、「販売手数料ゼロ」「信託報酬は一定水準以下」などの条件を満たす、金融庁の基準を満たした投資信託(商品)に限定されています。
そのため、金融機関などによる「手数料(中抜き)」少なく、初心者でも資産形成に適した商品を選びやすく、安心して投資を始められます。

少額で積み立てる方法も初心者にはやさしい

ドルコスト平均法
つみたてNISA口座を開設すると、年間積立額の上限40万円の範囲内で、毎月の積立額を決めます(割り切れないので「月33,000円が上限」となる金融機関もあります)。
毎月の積立額を変更せず、「毎月一定額を継続的」に積み立てしていく方法を「ドルコスト平均法」といいます。

1月2月3月4月合計
ドルコスト平均法
(購入金額が一定)
購入した株数10株5株10株20株45株
購入金額10,000円10,000円10,000円10,000円40,000円
1株当たりの株価1,000円2,000円1,000円500円888.9円

1月2月3月4月合計
株数を一定にして購入した場合購入した株数10株10株10株10株40株
購入金額10,000円20,000円10,000円5,000円45,000円
1株当たりの株価1,000円2,000円1,000円500円1,125円

このように、ドルコスト平均法で積み立てを続けていくと、株価の高いときは「購入した株数」が少なくなり、株価が安いときには「購入した株数」が多くなります。
これにより、市場上昇時に買い付けを行う「高値づかみ」の影響を少なくし、買い付け価格を下げることが期待できます。

信託報酬(手数料)が元本に及ぼす影響

一見の「年率」は低く見えるが、積み重なると影響大
「信託報酬」とは、私たちの元本から◯%という形で、差し引かれ運用元へ支払われる報酬(手数料)のことです。

「つみたてNISA以外」の投資信託では、信託報酬が年率3%を超えるものまであります。
もちろん、私たちにとっては、手数料が「低い方」が有利になるのですが、手数料が高くても「成績が良い投資信託」ならば、「支払う価値がある」とも考えられます。

しかし、「インデックス型投資信託」での投資を考えている場合は、この信託報酬が低いもの選ぶのが鉄則です。

インデックス型投資信託とは、平均株価指数など(日経平均株価やTOPIX、S&P500など)に連動を目指す投資信託。似たような動きをするインデックス(市場の動きを示す指数)を用いて運用すれば、各商品の運用結果に大きな差が出にくくなります。

そのため、積立投資では信託報酬(手数料)による「小さな差」が長い年月を積み重なると、複利の効果も相まって「大きな差」となってしまいます。

信託報酬の違いによるシミュレーション

信託報酬が「ない」場合と0.1%、0.5%、1%の場合、20年後の積立額にはどのような影響があるかのシミュレーションです。

では、以下の条件でシミュレーションしてみます。
(例)
・積立額:月3万円(総額720万円)
・期間:20年
・想定利回り:5%
なお、計算には年金終価係数を使っています。

信託報酬なし0.1%0.5%1%
20年後の金額991,980円981,560円941,140円893,340円
うち利息分271,980円261,560円
(▲10,420円)
221,140円
(▲50,840円)
173,340円
(▲98,500円)
*( )は、「なし」を基準とした場合の差額

このように、指数に連動するインデック型投資信託は運用結果に差がでにくいため、信託報酬(手数料)は低い方が有利になります。

【追記】NISA恒久化、投資枠拡充の方針が固まる

2022(令和4)年12月、新聞報道などによると、政府・与党は、2024(令和6)年にNISAを恒久化し、年間の投資枠も拡充することを決定しました。

現行2024(令和6)年1月
制度が利用できる期間つみたて型:2042(令和24)年まで
恒久化
一般型:2023(令和5)年まで
年間投資上限額40万円120万円
120万円240万円
非課税となる総投資枠最大800万円最大1,800万円
(うち「成長投資枠」1,200万円)
最大600万円
一般型とつみたて型の併用できない可能に

2024年から始まる新しいNISAでは、非課税期間が恒久化、年間投資額が「成長投資枠」で240万円、「つみたて投資枠」で120万円に増加し、さらに生涯投資額が1800万円まで大幅に拡大されることになります。

まとめ

「複利の効果」を実感するには、まず耐えること

「つみたて」に必要なのは、「継続力」
老後のための資金は慎重に安全に増やしていきたいもの。
しかし、超低金利政策が行われている今、銀行に預けておいてもお金は増えません。そのため「つみたてNISA」は、投資に抵抗感がある(わたしたち)50代でも抵抗感が少なく始められる制度となっています。

投資信託とは、多くの人から集めたお金をまとめて、いろいろな資産や地域に分散して運用する金融商品です。
つまり、つみたてNISAで運用するということは、「時間」「地域」「長期間保有」などのリスク分散がされた「優良商品」を、お手軽にしかも非課税で運用できる、ということです。

そんな、つみたてNISAで利益をだすためポイントは、「投資を続ける」こと。
インデックス型投資信託(商品)は、平均株価指数などの値動きに合わせて商品価格を連動させているため「爆発的な利益」は望めません。インデックス型投資信託の最大武器である「複利の効果」を最大限に発揮させるためには、「長い時間」が必要だからです。

また、「投資に慣れる」という面でも「つみたてNISA」は魅力的です。
「少額では得られる利益が少ないから」と、「退職金」を元手にいきなり高額な株式投資などを始めると、「値動きの激しさ」に驚くことも。

まずは、少額から投資をはじめ、市場の値動きに慣れることで、「自分(のメンタル)は、どのくらいの値下がりまでなら耐えられるか」を知ることは大切なことです。
長期間、相場を眺めることによって相場観を鍛えておけば、あやしげな儲け話に惑わされて資産を失う可能性も少なくなります。そういう意味でも「つみたてNISA制度」は魅力的な制度と言えるでしょう。

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ミスター長男50

【プロフィール】

1969年(昭和44年)生まれ
富山県で生まれ、今は千葉県民
・仕事は病院事務(管理職)
・社会保険労務士
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)
「仕事」や「お金」に関する法改正や、(定年)退職後や資産形成に関する疑問などを分かりやすくまとめ、発信していきます。

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